日本義肢装具学会学術大会の取り組み

義肢装具とスポーツ分野の関わりについて

以前は障害者がスポーツを楽しむことは困難であると認識されていました。しかし近年は、障害があってもスポーツを楽しんでいる人が多くいます。パラリンピックの映像を見て、知った人も多いのではないでしょうか。義肢装具を装着することによって、スポーツを楽しめるようになった人がたくさんいるのです。

 

障害者同士で競い合うスポーツだけでなく、部活動などで健常者にまじって楽しんでいる障害者も近年では珍しくありません。使用する義肢装具は、日常生活用のものと異なっていることが多いです。もちろん兼用している人もいますが、本格的に競技を行う場合は専用の義肢装具を制作してもらうケースが増えているのです。

 

各種競技で使用する義肢装具まだ研究中のものが多いです。日常生活を行っているときより接合部に負荷がかかりやすい点を考慮しなければなりません。また選手が身体能力を発揮しやすい構造やバランスなどを検討することも重要です。障害の程度や部位の形状は人によってことなるので、個人の特徴に合わせた設計を行うことも欠かせません。

 

このように研究が盛んに行われている状況なので、日本義肢装具学会でも進捗状況がよく報告されています。日本義肢装具学会学術大会では、従来より進化した義肢装具が発表されることが多いです。

 

競技で使用する義肢装具を制作する義肢装具士には競技に関する詳しい知識が求められます。また人間工学や運動学に関しても精通している必要があります。通常の義肢装具士の業務ではそこまで詳しい知識は必要でないことが多いため、実際に取り組むことになったら勉強が必要になるでしょう。勉強だけでなく、選出と綿密な打合せを何度も行わなければなりません。試作品を作成した後も、選手の意見を取り入れて頑強にしたり軽量化を行ったりするなどの工夫を続けることになります。このように負担は少なくありませんが、障害者のスポーツ分野での可能性を広げるための意義ある仕事といえるでしょう。