日本義肢装具学会学術大会の取り組み

福祉機器としての義肢装具の歴史

腕や足が先天的に欠損していたり、外傷などで切断してしまったりした場合、腕や足の形態や機能を復元するために装着する代用肢のことを義肢と言います。義肢装具には義手と義足があるわけですが、近年その福祉機能はもちろんのこと、運動性能なども急速に発達しています。たとえば、パラリンピックなどでは義足を装着したアスリートは、健常なアスリートと変わらないようなタイムを記録するほどです。

 

切断個所により、義手、義足の形状や種類が異なりますが、最新のものにはコンピュータを内臓した義足も登場しています。これは装着者がどのくらいのスピードで歩こうとしているかをコンピューターが瞬時に判断し、油圧をコントロールしてスムーズに歩行することができるようになっています。このコンピューター内蔵の義足は義肢装具士が取り扱うことができ、現在日本では約65人の方が使用していると言われています。

 

ところで、この義肢装具の歴史は古く、最古の記録として、紀元前1500から800年にかけて書かれたと言われているインドの古い医学書の中に、この義肢装具のことが記されています。また、イタリアのナポリの近くにある紀元前三世紀頃の墓の中から義足が発掘されています。近年では、第一次世界大戦において、手や足を切断する人が大勢いたために、義肢は目覚ましく発達しました。ドイツでは1915年ベルリンに義肢検定所ができ、英国でも1915年に義肢センターができ、アメリカでは1917年にアメリカ義肢製作者協会が発足しています。

 

日本国内では幕末から明治初期にかけて活躍した歌舞伎役者が義足をつけていたことが記録されています。また第二次世界大戦時には鉄の足と呼ばれる義足が軍によって開発されています。また1968年に研究同好会から始まり日本義肢装具学会(1984年に名称が変更)が義肢の専門機関として知られています。日本義肢装具学会では会報を発行するとともに、毎年日本義肢装具学会学術大会を開催しています。